Archive for 12月, 2012

12月 7th, 2012

願いと自分の関係に調和を与える

アレクサンダーテクニークでいう「方向づける」というのは、「望む結果ががかなうように、自分というシステムを方向づける」のだという。

エンドゲイニングは、結果に直接的に・習慣的に向かいすぎているためによろしくないのであって、私たちが願いを持つことをアレクサンダーテクニークは否定しているわけではない。

エンドゲイニングによって、結果を達成するための方向性を間違ってしまうことが、問題なだけで。

自分を方向づけるという行為には、達成したい願いという目的がある。

願いというと、大げさだけれど、楽にバックを持ちたいとか、デスクワークを快適にしたいといった、日常のことも含まれるし、楽器の演奏をもっと機能的に行ないたいとか、ダンスの動きをもっと優雅にダイナミックにしたいとか、特殊な活動に関することもある。

レッスンの中では「ちょっと、その望みのことから、今は離れましょう。そのことを考えないでくださいね。」
ということをします。

というのは、その願いを思った瞬間「どうしたらそれが出来るんだろう?」とか「こうやらなくちゃ」とか、習慣的に考えてしまうからです。

その習慣的な思考は、今までの「うまくいかない方向性」を無意識に身体に与えています。

だから、新しい方向性を考える前には、いったん、古い思考から離れる必要があります。

習慣的な反応からはなれて、教師の助けをかりながら、新しい方向(それは、願いを達成するために必要な方向性のことですね)を、自分にあげます。

じゃあ、その新しい方向性って何よー!

と、混乱しなくても、アレクサンダーはそれを

首は楽に
頭は前へ上へ
背中は広く長く

であると、発見してくれています。

すごいことですね。

状況にかかわらず、性別や年齢に関わらず、健康状況によっても変わらない。

いつも不変の方向性を見つけた、それを使う手順を作った、というのは、本当にすごい。
改めて考えると。

もちろん、この方向性というものは、「自分のシステム…からだ・思考をどう使うか」というものなので、これをしたからいかなる願いも叶うというものではありません。

自分のシステムを快適なものにしながら、何をどうするかというのは(歩く、踊る、話す、洗濯をするなど)その先のことで、それぞれに関する技術やプランなどは、また別に考えたり、修得する必要があります。

でも、まず、ベースとなる自分の使い方をケアすることが、その先に続くプランや選択に良い影響を与えて行きます。

場合によっては、自分の使い方は良くなったけれど、行為のプランを見当違いの方向に向かわせてしまうことがあるかもしれない。素晴らしい動き方で、オウンゴールを決めてしまうような“行為の選択の失敗”。
すべてにベストをつくせても、上手くいかない人間関係もあるかもしれません。

だから、自分が何をしているのか、どう反応しているのか、その結果、何が起きているのかを見るのはとても興味深いです。
そして、自分の使い方を面倒見るのと見ないのでは、世界の見え方の緊張感が違うように思います。

アレクサンダーテクニークは、願いに向う自分のエネルギーに調和与えてくれるっていう感じでしょうか。
その調和の中で、何をするかが、本当に自由でクリエイティブな部分だと思います。

12月 7th, 2012

やる気があれば良いわけではない

やる気があるというのは、一件良いことの様に思われる。

けれど、もしその方向性が間違っていたら、間違った方向にエネルギーを強めることになるのだというアレクサンダーの言葉を読んで、全くその通りだなと思った。

だからこそ、「方向性」というものを良く検討する必要があるんだねー。

ほんと、アレクサンダーの洞察力ってすごいなとおもう。

その場その場の気づきとして受け入れてるだけでなく、セオリーとして使えるように整理しているし、論理だてて説明できるし。

それで、学者を名乗るのではなく、俳優だというんだから、不思議な人だ。

12月 5th, 2012

腕の方向性

アレクサンダーテクニークで腕・足の使い方というのは、根幹ではなく、部分的なことです。

ですが、部分で間違った使い方をしていると、自分の使い方のコントロールセンターである頭・胴体という根幹にも悪い使い方が波及します。

アレクサンダーテクニークは使い方に対して、良い・悪いと真っ二つに白黒つけるものではないですが、どこかが上手く機能していなければ、他の部分も同じ…ということです。

腕と胴体の関係性に気づいて見ましょう。

もし、あなたの習慣が、胸を張るために肩を後方に寄せるようなものであるならば、貴方の腕はアレクサンダーテクニークの世界で「腕を短く使っている」といわれるような状況にあります。

学校で学ぶ「きょうつけ」は、典型的なこの例です。

肩甲骨と肩甲骨の間は、習慣的に狭められます。
肩は後方に移動し、肘も本来ある場所から、後ろ向きへと外転しながら、脇の緊張感を高めます。
腕全体は、引き上げられ、アレクサンダーテクニークの世界では「短くなる」といわれる状態で使われます。

そんな状態の時、胴体では何が起こっているでしょう。
首は緊張感をまし、胴体は少し反った状態になり、骨盤は前に押し出され足の緊張感が増します。

いわゆる、ピンと背筋をのばしたきょうつけは、こんな感じですよね。
日常的な動作の中で、程度の差はありつつも、この間違った(不要な)緊張感を持ち続けながら、腕を使っている方は、とても多いです。

反対に、猫背のように、背筋を丸く使っている場合は、前述と反対の動きが現れます。

胸を狭めながら、肩は前方に行き、腕がぶらりと緊張感が足りない状態でぶら下がることが多いです。
首の後ろが詰まり、胴体を支える緊張感が足りないために、腰や肩に負担がかかったりしています。

アレクサンダーテクニークは、そのどちらでもなく、もっと中立的で機能的な状態に導いてくれます。

肩は、たんに前から見て横に広がるということではなく、胴体が前も後も側面も広がることで、結果、横に広がっていくことができます。

肩の構造は、鎖骨と肩甲骨の端がくっついていて、そのくっついた部分が腕が下がるための屋根(肩)になっています。
上からみると、鎖骨と肩甲骨が作るVサインみたいなもので、Vの先っぽが上から見た肩関節です。

この肩の構造は、胴体の上に乗っかっていますので、胴体の状態と連動して動きます。
胴体がしょぼんと猫背になれば、肩は前に
胴体が胸を張りそっくり返った状態を作れば、肩は後ろに
といったように。

なので、「肩の場所はどこか?」と考えず、胴体の広がった結果、肩の広がりが実現できると考えるとよいです。

ということで、腕の使い方(方向性)をケアするためには、まず頭・胴体の部分からケアします。(アレクサンダーテクニークでは、頭・胴体の方向付けが第一です)

・首はラクになり、頭は上方に、胴体が長く広く使われながら、肩は横に広がります。
(「首がラクになる」ということは、適度な緊張・張りを持ちながらも、頭と胴体の間で動きの連動性を持ちながら自由に動けることを指します。)

その人の習慣によっては、胴体が広がるために、背中や胸が今までより狭くなる必要があります。
それは、いままでその広さを作り出すために、反対側を萎縮させているはずだからです。
萎縮していた部分が開放されると、いままで過剰に広げていた部分は、適度な広さに戻るために狭くなる方向に動いていきます。

・そして、その横に広がった肩から、肘までが長く伸びていきます。

これは、伸ばそうとするのではなく「不要な力が抜けて、こちらに開放されていく」という意味です。

立体感を持った腕ということを大事に方向付けてください。
腕の背面・前面・側面…すべてを意識に含んで、肘の関節に向かって長く流れていくように開放されていきます。

・そして、肘から手首、手首から手のひらの中へ、手のひらの中から指先へ…長くなっていくことを許します。

腕だけに集中してしまうと、使い方の大元締めである頭・胴体の方向付けを忘れてしまいます。

自分全体に気づきつつ、首がラクに・頭は上に・胴体は長く広く広がり、肩はその結果横へ広がり、腕はそこから肘・手首・指先に向かって伸びていくイメージです。

イメージと書きましたが、意図でもあり、実際の動きでもあります。

実際のレッスンで、これを学ぶことが難しい人は、こんなことを観察してみてください。

あなたはものに触るときに、どういった触れ方をしていますか?
必要以上にギュッと握っているのか・なんとなく、ボーっとした手で握っているのか。

過剰な緊張、過剰なリラックス・・・そういったものに気づいたら、自分の使い方(触れ方のテンション)を変えることができると思います。
そして触れ方を変えることで、身体の体幹部に影響があることにも気づくことがあるかもしれません。
(一人で行う実験…ですので、これが正しいやり方ということではなく、お試しという気楽な感じでやってください。)

アレクサンダーテクニークの学びは、実際には教師の助けを借りて体験する必要があります。
それができない人は、上記のように、日常で自分をどのように使っているかを観察して、意図的に使い方を変えることを試してみることもできます。
実際のレッスンの代わりにはなりませんが、もしかしたら、何かにハッと気づき、自分の使い方をもっとラクにするきっかけができるかも知れません。

12月 3rd, 2012

方向性を足す

BodyChanceで、プロコースの授業が終わったところ。

今日のレッスンで行ったことをベースに、【新しい使い方(動き方)のための方向性】について書いていきます。

本日のプロコースは、決まったストーリーもなく始まりましたが、生徒さんたちの素晴らしい導きによって、「授業」になりました。
生徒さんの学びたいというエネルギーが授業を進めてくれるので、私も一緒に学ばせてもらっています。

・・・・・・・・・・・・・・

頭と脊椎の関係性は、腕・足といった体幹以外の使い方に影響を与えています。
同様に腕・足といった部分の使い方は、体幹の調和に影響を与えています。

「首を自由に」というメッセージを与えるだけより、
「首は自由に、頭は前へ上へ」と、具体的に頭の方向性を加えた方が、身体の在るべき姿が明確となり身体の調和・機能性に良い影響を与えやすくなります。

さらに、「首は自由に、頭は前へ上へ、背中は長く広く」と思った方が、調和の為のガイドはよりクリアになります。

私はそれを、「方向性(ガイド)を足す」と表現しました。

はじめの「首が自由に」というメッセージに、ドンドン方向性が追加されるイメージ。どうあるべきかがドンドン明確になり自分を使う「操縦者」である自分自身の意識にパワフルさが増してくる感じです。

けれど、腕や足で間違った使い方を続けようとしながら、頭・胴体の使い方を良いものに変えることはできません。

頭・胴体の方向性だけ考えてうまくいかない人にとっては、腕・足のことも明確にすると助けになります。

部分の使い方は全体の使い方に影響するため、部分が改善されることで、頭・胴体の関係も改善されるので。

(実際のレッスンでは、コッチの習慣を変えようとすると、アッチの習慣が顔を出す…というようなことも多々あります。新しい使い方や、全体の使い方を同時にケアすることに慣れていない間は「方向性を足す」というようなことや、全体に気を配りながら部分をケアすることが難しく感じるかもしれません。それは新しい使い方をやり始めた頃はしかたがないことで、だからこそレッスンを重ねることが必要です。)

それぞれの方向性がどういうものなのかについては、実際に体験を通して学ぶ必要がありますが、出来るだけ解説できるようチャレンジしてみます。

とりあえず、一番大事な頭と脊椎のことは置いといて、次回は、腕と足の方向性・胴体との関連性について更新します。

( 頭と脊椎の関係性は、書籍やウェブサイトなど、沢山説明が既に出回っているので、保留にします。時間をかけて、説明のページを作る予定です。)