道具を自分の一部に含める

演奏家とアレクサンダーテクニークのレッスンをする時、
楽器(道具)を自分の一部に含めることで、
動きの調和が良くなることをよく目にします。
 
楽器の感触、楽器の重さ、楽器の振動、そいういったものへの認識が、
自分の動きをより繊細に調整してくれたり、
楽器の奏でる音色が、自分がしていることのフィードバックとして働いてくれるのだと思います。
 
それは、楽器に限ったことではないと思います。
音をフィードバックとして返してくれるのも、楽器だけではありません。
 
足音
パソコン
服の音
コップを置く音
 
などなど…自分の奏でる生活音は、いつも私たちのそばにあるもの。
 
もし、あなたの周りにある、そういった物たちを、あなたの一部だと認識したら、
あなたの空間認識や動きは変わりますか?
 
私は、この床が自分の一部だと思うと、歩くことがより繊細になり、
身体全体と床との関係性に気づきやすくなります。
歩くための無駄な緊張が減っていき、足の裏や足首もより滑らかに動くようです。
 
お茶を飲むためにカップに手を延ばすときには、
関心はお茶を飲むことから飲むためのプロセスに広がり、
カップの造形、お茶の色などにも心を潤してもらえます。
 
私たちの認識が変われば、物と自分の関係性が変わり、動きが変わり、体験自体がまったく違うものになるかもしれません。
 
今日は、「自分」の範囲を少し広げて遊んでみましょう。

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