何かする時に思い出すと役に立つ言葉

アレクサンダーテクニークを習い始めのころ、
今ほどこのテクニークのことをシンプルだとはとても思えず、
とても難しいと思っていたし、複雑だと思っていた。

だから、トレーニングスクールで先生たちが何度も繰り返してくれるキーフレーズみたいなものは、とても自分の役にたったと思う。

その中で、当時のお気に入りというか何度も思い出しては、役にたった言葉は、「アイアム ナンバーワン」

ある先生が、自分の胸に手をあて、とても大事なことを言うように
「アイアム ナンバーワン」といい、
そして、少し笑いながら「ユーアー ナンバーツー」と、言った。

「You are NO.2」と言われてちょっと笑いながら、すごくすっきりさせてもらったのを覚えている。

「私がすごくて、あなたは私の次よ」という意味ではなく「まず、何をするにも、自分を一番最初に面倒を見る」という意味合いで使った言葉。
先生は、何度も「”アイアム ナンバーワン” よ」と、強調してくれた。

私が通っていたのは、アレクサンダーテクニークの教師養成スクールだったので、アレクサンダー教師が生徒にレッスンをするということについての指導がある。
「教える」となると、やりがちなのは、相手に意識が集中してしまい、教える自分の面倒をみることがおろそかになるということ。相手に教えようと必死になり、先生に余裕がなくなってくるという状況だ。

スクールでは、”そうではなくまず第一に、自分の面倒を見ること=自分の使い方を大切にすること”だと学ぶ。

特に教師と生徒という関係性に限らなくても、あらゆる自分と他者・状況との関係性との関わりの中においていえることで、それを学ぶ時に、この「アイアム ナンバーワン」というフレーズは、とてもインパクトがあり簡潔で、私のお気に入りになった。

そもそも、人や物事の優先順位について、私はもともと混乱していた。
子供のころ
「”使った人”がおもちゃをかたずけなさい」と言われ、そのルールを守っていると「”お姉さん”なのだから、あなたがかたずけなさい」と言われる。
誰かのお手伝いをしていると、「まずは、自分のことをしてから、人のお手伝いをしなさい」と言われ「そうか、自分のことを終えずに、人のお手伝いをしてはいけないのか」と理解すると、こんどは「自分のことばかりではなく、お友達のことも助けてあげなさい」と注意される。
まだ幼くて、大人のいうことを「そうか」と受け入れることしかできなかった私には、親や先生の言っていることに統一性を見つけられず、とても混乱した。

もちろん、大人になれば、そこらへんは臨機応変に…と思えるようになるけれど、
臨機応変という言葉のなかには、正解はなく安心感がなかったように思う。

でも、アレクサンダーテクニークの先生が教えてくれた「アイアム ナンバーワン」という立ち位置には、とても安心感があった。
その意味するものの背景には、それがなぜ大切なのかという体験的証明があったから。

それは、まず、何をするにも、誰とどう関わろうとも、
まずは、自分の「使い方」をケアする。

首が自由になり、頭が上にいき、身体が空間に対して広がり、機能性が増すことを許す。

それによって、私はもっとバランスを取り戻し、他者や状況との関わりの中で反応の選択がしやすい状況となる。

アレクサンダーテクニークの先生たちに安心感がもてたのは、先生たちが自分に余裕があり、私たち生徒に対して寛容さがあり、待つということが出来、それこそ臨機応変に対応してくれたからだと思う。そして自分が出来ないことや、知らないことに対してとても正直だった。
自分が完璧ではないという姿も見せてくれた。
だから、とても身近に感じたし、信頼もできた。

それは「自分の使い方」をちゃんと面倒見ていたことの結果だと思う。

実際には、「アイ アム ナンバーワン」というものがどれほど大事か時間をかけて何度も何度も失敗を繰り返しながら体験するし、わかっていてもそう出来ないこともたくさんあり、今もまだ練習中だけれど、何かする時「あ!そうだ」と思い出すのに、「アイ アム ナンバーワン」は、一瞬で言えるシンプルな言葉でいいな、と思う。




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