身体的緊張を手放す

身体の緊張を手放そうというとき「力を抜く」というアイデアを採用する方は多いですよね。
“緊張”に対して”ちからを抜く”は、アリな方法に思うかもしれませんが、
脱力し過ぎで身体にコリや痛みを招くかたもいますし、
力を抜くといっても、どこまで抜けばいいのか、自分ではよくわからないこともあります。

実は私も力の抜きすぎで痛みを招いたばかり……。
先日、長時間ドライブしたのですが、助手席でダラーとしすぎました。
翌日は、きりきりと肩が痛くて失敗を痛感。
力を抜きすぎて、頭の重さで首や肩を痛めてしまったようです。
(今も痛いのですが、身体の使い方を改善すると頭の重みから首と肩は解放され、痛みもマシになります)

アレクサンダーテクニークのレッスンでは、「力を抜く」ではなく、「頭と胴体の方向性」を意図することによって適切な緊張バランスを自分に招きます。

「頭と胴体の方向性」ってなんでしょうか。
たとえば、猫背の姿勢は、頭と胴体の方向性についてこんなふうにいえるかもしれません。

 ・頭をからだより前にもってきて、下の方に引き下げている。
 そして、身体は押しつぶされて肩を内側に引き込んでしまっている。

アレクサンダーテクニークでは、適切な自分の使い方を取り戻すために「頭と胴体はどっちに広がっていくか」というアイデアを採用します。

それは、どのような癖を持っている方でも
 ・頭は上に
 ・胴体は長く広く
という方向です

「のびのび」という形容詞は、まさにそういう方向性のことだと思いませんか?

なんだ、当たり前、と思うかもしれませんが、
ほとんどの人は緊張した時に「広がること」を考えていないように思います。
「力を抜くこと」「体を動かすこと」なんかで対処する方が多そうです。

「空間に対して広がっていく自分」
思っただけで気持ちよさそうですが、そうなるためにはコツがあります。
「広げる」わけではなく、「広がるということを許可し続けている自分」であることが大事です。
「広がる」ことを直接実行しようとすると、不要な緊張を招くだけの場合があります。

なので、余計な緊張を招かないように、「する」のではなく「考える」というレベルで対処します。
まず考えて、その考えに身体が繊細に反応するというデリケートさが必要。

では「考えて、繊細に反応できれば広がれるのか」というと、実際には「頭が上に」と思ったところで、本当に頭が「上」に行くとは限りません。
人によっては、上ではなくちょっと後ろに向かってしまう人などもいます。
自分の「感じる」上という方向が違ったりするんですよね。

だから、やっぱりレッスンを大事にしたいです。
「考え」と「体の反応」が一致してくれるように、アレクサンダーテクニークでは教師とレッスンを重ねます。
「意図すること」「意図したことを体験すること」をたくさん繰り返すことで、少しづつ「考え」が明確になり、反応も望んだものになる。

そうやって、「力を抜く」ではなく、「方向性」の力によって自分に適切な緊張・解放を招くことができるようになってきます。

コメントを残す

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください