アレクサンダーレッスン 本・言葉との相性

先日
「”頭が胴体から離れていく” というのがわからない」
という質問をうけまして「え??」
と、ちょっと戸惑いました。
 
(私、そんな説明したことあったっけ?)
 
アレクサンダー教師は、言葉の使い方に気をつけることが多々あります。
なので、その『頭が胴体から離れていく』というのが、何を示しているのかはわかりますが、それは
(私だったら、そう言わない)
という表現だったんです。。
 
今だからこそ、「頭が胴体から離れていく」が何を示しているのかわかるので(ビギナーの頃よりは・・・)
「それは、こういうことだよね」と脳みそが自動翻訳をして、
そんな体験を、私自身に起こしてくれるかもしれないけれど、
ビギナーだったころの私には、確実にうまくいかない表現だと思います。
逆に、緊張して、「頭が胴体に近づいていく」が起こりそうです。

で、私はそう説明したことはないと思うので、どこでその言葉を知ったのかなと思ったら
アレクサンダーの本に書いてあったようなんですね。
ああ!なるほど! と。
 
確かに、その本に書いてあることは間違っていない。
私はこの本を書いている先生をとても尊敬しているし、本もオススメできる良い本だと思っています。
本の該当のページを見ながら思いました。
「・・・そうだよね、間違ってないよね。 そのとおりだよね・・・。
だけど、この言葉がそれを起こしてくれるかは、やっぱわかんないよね・・・。」
その表現が、その方にはぴったりではなかっただけのことだと思うのです。

じゃあ「本を読まないほうがいいよ」ということではなくて、
「本」を読んで復習できたり、思い出したりすることができると便利なんだろうなーと思って、
違う本を提案してみました。

その本には
「頭が胴体から離れる」ではなくて
「頭が繊細に動く」という表現から始まって、動きを提示しています。

その方には、こっちの方があっていたようでした。

こんな風に、アレクサンダー・テクニークの原理は同じでも、
その説明の仕方・言葉の使い方によって、理解度が異なるという「言葉との相性」があると思います。

また、同じ言葉でも、声のニュアンス(黙読でも)でもだいぶ変わると思います。

「おすすめの本」を聞かれると、いまでも迷ってしまい
「この本はこういうところがよくって」
「この本はこういうよさがあって」
なんていくつもの本のいいところを紹介してしまい、逆に生徒さんに「うーーーーん」と余計選べなくて困らせてしまったりします。
(すみません・・オススメべたで)
きっと、「この本がオススメ!」と一点紹介するのが気持ちいいのでしょうが。。。
やっぱり、わかりません。
人と人 と同じように 本にもご縁と相性があるように思います。

もし、本を読みたいなら
「いろいろ読んでみたら?」
が正直なところです。
ほんと、おすすめをするのが苦手ですみません

たくさんの表現や言葉と出会って、だんだん、意味していることの正体みたいなのがはっきりしてきて、
最後は、『自分の言葉』にできるといいですね。

(でも、本だけではなくて、やっぱり体験が大事だと思いますが。)

その質問で、私も「なるほどなー」と学ばせていただきました。
ありがとうございます。

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