アレクサンダーテクニークを学び始めたきっかけ:平山敬子
- ともこ
- アレクサンダーテクニークを始めたきっかけって何だった?
- けいこ
- わたしは20才の時に東京に出てきて演劇の勉強にきたのだけど、
仙台にいたとき、知人に「せっかく東京に行くならアレクサンダーテクニークを受けてみるといいよ」と言われて。 - ともこ
- 当時のアレクサンダーテクニークの認知度は、今よりももっと低いと思うけれど、
その人は、なんでアレクサンダーテクニークの事を知っていたのかな? - けいこ
- もともと東京に住んでいた音響さんなの。
昔は役者もやっていて、身体に関するワークショップにも参加してた人だからかな。まわりに惑わされずに、自分の感じたことを明確に発言できる人で、
「只者じゃない、この人!」っていつも思っていたんだけど、
その人に「受けてみるといいよ」ってすごく勧められて、
「アレクサンダーテクニークって何〜!?」って(笑)名前にもインパクトがあって、これは受けてみようと思った。
- ともこ
- 初めはどこに受けにいったの?
- けいこ
- あの…。(と、ともこを見る。)
- ともこ
- 私!? (一同笑い)
- けいこ
- ATAが主催していた20人くらいのワークショップだった。
ジェレミー(ATA校長)が、「アレクサンダーテクニークは、すごくいい!」って力説していて。
「でかいテレビを買うよりも価値がある」って。2時間くらい話を聞いて、最後、体験する時間が少しあったの。
20人を、4分割位にして、(各グループに)先生がついてくれて。で、私のグループは、ともこさんだった。
4,5人くらいで、「ちょっと体験してみましょう」って。 - ともこ
- へー…なんかもう記憶から……そう……そうなんだー。
……で、そこですぐにやろうって決めたの? - けいこ
- なんか、その時の体験がすごかったの!
ちょっと触ってもらって「なにこれ、めっちゃ楽!!」ってなって。
身体がラクになって感動的で。周りからも、「座り姿が綺麗」って言われて。
「なにこの……なにこれ!感動的〜!!」って思った。終わった後に、すぐに友人に電話をして「なんかすごかった」って興奮して報告して。
でも、当時はお金がなかったからちょっと保留にして、そこから1年半くらい後にBODYCHANCE(改名したATA)に行った。
- ともこ
- そこからすぐプロコースに?
- けいこ
- 2か月くらいベーシックに行ったのかな。
プロコースの見学に行ったら、やっていることが意味が分かんな過ぎて。 - ともこ
- そうなのかー
- ともこ
- 演劇の勉強はどうやってやっていたの?
- けいこ
- 演劇学校に通ってた。
- ともこ
- 演劇学校を卒業した後、お芝居の機会は? 今はやってない?
- けいこ
- やってない。でも、ちょっと興味がわき始めて……ちょっと不思議。
「あ、いらないな」って、一時期思ったんだけど……「あーもうやんなくていいや」と、
でも再び興味が出てきた。
昔とは全然違う形でやれる気がする。 - ともこ
- そうだよね。今やるなら、昔とは違うよね!
どうなるかわかんないけど、昔とは違うのは、よくわかる。 - けいこ
- むっちゃ楽しめる気がする。
- ともこ
- 良し悪しの判断の仕方が変わりそうじゃない?
- あき
- 自分へのダメ出しの仕方も変わるよね。
- ともこ
- そうそう、ダメ出しのしかたが変わるよね。
そう、ダメ出しって、感性でダメ出しされることも多くて、判断の基準がないじゃない?演技の世界っていうか、アートの世界ってどれもそうなんだろうけど……。
演劇をやっていた時は、自分の演技にそういう部分で不安とか頼りなさを感じたけれど、
アレクサンダーテクニークは「原理」っていう軸があるから、クオリティに判断のしどころがあっていいなと思う。
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対談:演劇とアレクサンダーテクニーク 目次
- アレクサンダーテクニークを学び始めたきっかけ:平山敬子
- アレクサンダーテクニークを学び始めたきっかけ:福本亜紀
- 「出来ない」 という 、思い間違い
- アレクサンダーテクニークを学び始めたきっかけ:上原知子
- 本番マジックが起こるとき
- 「生きていることが仕事」演劇とアレクサンダーテクニーク
- 感情を決めて演じることと、エンドゲイニング
- 伝えたいものが準備されていて、余分なものが外れたときに、用意されていたものはちゃんと伝わる
- 「これだけでいいの?」今までと違う演技
- 演技とアレクサンダーテクニークの切り分け
- 演出とアレクサンダーテクニーク
- アレクサンダーテクニークによって、演技がどう変わったか
- 人からの評価をどう受け止めるかが変わる
- あてにならない感覚的評価があてになるようになってきたとき、感覚を信頼してよいのか
- 呪文状態のディレクション