レッスンメモ ルシア・ウォーカー(2)
身体のバランス、ということについて、ルシアがとても良いレッスンをしてくれた。
ヨガやダンス、いろいろなアクティビティーのレッスンで、
「バランスがうまくとれない」というテーマでレッスンをする方はたくさんいる。
バランスっていうのは、「動くこと」だと、ルシアは言った。
参加者の1人が「ダンスの時、足(フット)が安定せずバランスがとりづらい」といい、バランスを探究するワークとして、みんなで片足立ちになって見たり、大きくステップを踏んでみたり、バランスが危うい動きを踊るように遊んだ。
「足で床をつかまないで、床のその先にもまだ足が進んでいけるかのように…」
いろんな片足立ちをためして、バランスを楽しむのは面白かった。
「もし、足がこんなふうになると、からだは頭よりも先に何をすべきか分かって、バランスを勝手にとってくれますね。バランスっていうのは、動くことなのです」
なるほどなるほど…とおもいつつも、すっきり腑に落ちない部分も…。
もっと静かな安定感のある、バランスの場合は?
「でも、ダンスをしたりするときは、ダイナミックに足を上げたり、たくさん筋肉のトーンを使います。足の関節を固めたり。」
うんうん。
「でも、足を上げたその筋肉のトーンのまま、地に足をつけて立とうとすると、あしが固まっていて、バランスをとるという仕事をしてくれなくなります。」
!!
「だから、足をおろして、床にあしが付くときには、そのトーンを解放してあげることが必要です」
あーー!そうかいうことかーー!
そうやって、足を大きく振り上げてから、大きな歩幅でまた床に足がついていく姿は、本当にきれいだった。
足の関節が自由で、床に合わせて足の甲や指がしなやかに着地していて、
バランスをとるための「用意の緊張」は何もなかった。
足を上げるための、足の仕事をし、
足を着地させるための、足の仕事をし、
バランスをとるための、足の仕事がなされる。
それぞれがダイナミックに連動していて、身体が安定し続けながら動いているその姿は、バランスのことなんかまるで気にしていないよう。
バランスは、からだ全体の仕事の、自然な結果のようだった。
ふらふらとバランスをとるのではなく、
しっかり安定したバランスだった。
それは、足の事だけではなく、ルシアが生徒さんの胴体に触れてサポートをしていたからだと思う。
だから、やっぱりバランスをとるうえで頭・胴体のバランス(プライマリー・コントロール)が要なのは大前提。
そこは、アレクサンダーテクニークの基本で外せない部分。
そのうえで、「動くことがバランス」だっていう、美しい実例を見せてもらった。
「動くことがバランス」っていうか「動けることがバランス」なんだろうな。
固めてしまうと、バランスをとることはできないですよ、と、ルシアはモップの柄を手の平の上に立てて、バランスをとる姿を見せてくれた。
バランスの学びかたはいろいろあると思うけれど、
とても素敵なレッスンでした。
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