内なるパートナーを育てる(レッスンでしていること)

私が、アレクサンダーテクニークの指導において行いたいと思っていることは、
『自分のパートナーを育てる』ということです。
それを、気楽に楽しく学んでいけたら良いなと思います。

アレクサンダーテクニークは、「自分の使い方」を学ぶものとして知られています。
私たちは日々、「意識と体=自分」を使って生きていますよね。
けれど普通は「自分の使い方」についてあまり知識を持っていません。
育ちながら無意識に体得したやり方、大人から教わった正しいやり方を身に着けただけです。
多くの人を見ていると、それはあんまりうまくいっていないことが多いみたいです。

私が自分の使い方を見直すきっかけになったのは、お芝居を学んでいたとき。
俳優の「心身を扱う基本」としてアレクサンダーテクニークに出会いました。
アレクサンダーテクニークを学ぶようになり、「体が浮いているみたい」「体の存在がなくなったみたい」「肋骨が消え去って、呼吸がたくさん入ってくる」「努力なしに声の響きが深くなる」「思考が静かになって、平和でいられる」といった数々の嬉しい体験をしました。

たんに体の緊張状況が変わっただけなのですが、間違った自分の使い方をしていた私にとってその身体ギャップは凄まじく、アレクサンダーテクニークの学びを「快楽主義」で楽しく続けました。
この学びは、自分が何を体験するかわからない、どこまで自分が変化していくかわからないアミューズメント感覚の楽しさがあったのです。

そうやって、面白いなあと学び続けた結果、自分の中に、頼もしいパートナーが育ちました。
そのパートナーは、日々の生活の中で「私自身の使い方、反応の仕方」に提案をもたらしてくれます。

例えば、気の進まない家事やメールの返信などがあるときに「自分の体に気づいて」とささやきます。
私は自分の「やる気なく脱力して重くなった体」に気づきます。
その次に、内なるパートナーは「首を自由に……」と心身を立て直すアドバイスを与えてくれます。

この冷静な自分の一部があるからこそ、大変な時に、楽に落ち着いて、作業をすることが可能になります。
そうでなければ、イライラしながら重たい体で、嫌々作業をする方法しか選べなかったかもしれません。

こうやって考えると、アレクサンダーテクニークで育むことのできるパートナーとは、心身バランスや、スピード調整などの舵取りをする理性なんだな、と思います。

レッスンで、そのようなパートナー(理性)を一緒に育てていきましょう。
そうしたら、
・自分の使い方は学べる・選べる
 (上手に自分を使えれば、省エネで豊かに自分を使うことができます)

・意識的に緊張度に変化を与えることができると、自分にとって大きな支えになる。
 (自分の動きを阻害する緊張は、勝手にやってきて、変えられないものではありません)
と、いうことも体験できると思います。
楽しく、気楽に、自分のペースで学んでいけるよう、お手伝いをしたいと思っています。

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