妊婦の姿勢とアレクサンダーテクニーク

妊婦は、腰痛になりやすいといいますよね。
わたしの場合、アレクサンダーテクニークのおかげで、いまのところ腰痛は大丈夫そうです。

というか、つわりもほぼ無しって感じだったし、大変だって思うのは、胎動でお腹をボコボコけられること・・・。

胎動が大変というのはあまり聞かないので、こんなことすら大変だと思うなんて、ずいぶんラクチンな妊婦生活が送れているのだと思います。
(肋骨蹴られて痛いことがあると聞きますが、わたしはまだ経験なし)

さて、腰痛になりやすい原因のひとつに、後ろに体重をかけたり、反り返ってお腹を支えようとする傾向が出やすいからかもしれません。

わたしの場合は、”頭と脊椎の関係性を選ぶ”ということをアレクサンダーテクニークから学んでいるので、後ろ体重でからだを支えないようにしています。
後ろ体重になりやすいのだけど、お腹が大きくなるたびに、頭と骨盤のバランスを選びなおしているという感じです。

後ろ体重になるときって・・・・
 
 頭を後ろの方に移動して、それが背骨を反らせることにつながって、
 首は頭を支えるために緊張するし
 腰を過剰に反っているので、上半身の体重を腰で過剰に支えることになって、
 骨盤も前傾するので、股関節の自由さが失われる・・・

そういう不自由さが訪れます。

アレクサンダーテクニークの原理を使うとき、わたしが意図しているのは、
首を自由にすることをきっかけに、不要な緊張が減って、頭と胴体のバランスがとれてくること。

 首は自由になって、
 それによって頭はバランスの取れるところへ移動していって、
 それによって、背骨・骨盤は調和を取り戻しながらカーブに調和が生まれて、
 股関節・足構造も自由になることができる

結果的に、後ろ体重から自然とバランスの取れているところに、カラダの内部でバランスの移動が始まります。

そんなふうに、自分のを面倒みているおかげか、「動き方が妊婦に見えないねー」といわれる事もあります。

(でも・・・一般的に、妊婦さんはそんなに露骨に”妊婦です!”って感じの動き方をしているかな??
後ろ体重でえっほ、えっほ、っていうイメージはあるけど、実際はそこまで大変じゃないような気もするし・・・人によるのかな?よくわからない。)

けれども、さすがにお腹の大きさが90cm台になった現在は、「はふーーー。お腹がじゃまだーー。」という、妊婦特有の動きの制限が出てきました。 靴下を履くのが大変とか。
もちろん、立っているバランスも、さらに大きく変わります。
変えていいのか知らないけれど、変えたほうがラクなので、変えています。

母親学級では「後ろに体重がかかりやすくなって、後ろに転びやすいので、ちょっとヒールのある靴を履くといいですよ」と習ったけれど、頭と脊椎の関係性を変えれば、その必要はなさそうです。
わたしのやっていることが、医学的にどうかはわからないけれど、調和がとれて動きやすいので、自己判断で、それでよしとしています。
後ろ体重なんて・・・背骨に負担がかかるのが目に見えているし、呼吸も苦しいし。

先日外出した時、後ろ体重で歩いているのに気づいたので、自分で自分のUSE(からだの使い方)を変えてみたのですが・・・なんだか変な感じ。 お辞儀をしながら歩いている感じがするのです。

でもそうしていると、バランスがとれて、体重が足の裏にラクに落ちていく様にも感じるのです。
お辞儀しながら歩いているのに、バランスはラク・・・
そんな自分の変な身体感覚に、戸惑いながら、
「今、わたし、変な格好して歩いてない?」と一緒にいた主人に聞くと
「ううん。いい姿勢に見えるよ。」とのこと。
「お腹にあわせてバランスをとることを試しているんだけどね、くの字に傾いている感じというか・・・変な格好に感じるんだよね」
「そんなことないよ。 姿勢の良い人に見えるよ。」
主人はアレクサンダーテクニークをやっていないので、一般的な価値観でフィードバックを返してくれました。

通りのガラスにうつった自分の姿を見てみると
「うーーん、そうだねー、感じているようなくの字の姿勢じゃなくて、バランスが取れていそうに見えるかもね・・・まあ、へんな人にみえないならいいや。」
と、いうことで、自分なりに頭・脊椎の関係を考えながらバランスをとっているのですが・・・
今日、下着姿で鏡の前に立って自分のUSEを見てみたら・・・びっくり!!!

確かに背骨に負担がかかっているような感じはないけれど、
今までの背骨のカーブとはまったく違うので、なんだか自分のからだじゃないみたいでした。
すんごい変。
明日、アレクサンダー仲間に見てもらおう、このへんてこなわたしの姿!

へんてこな姿っていうのは、今までの既存のわたしからしたらすごい変なんだけど、
今のわたしには、機能性としてフィットしている様には思います。
でも、それを客観的に見てもらって、アレクサンダー仲間からもフィードバックがほしいところ。

に、しても・・・
「くの字になって立っている感じがする」って、
アレクサンダーテクニークのレッスンをはじめて受ける生徒さんからよくもらうフィードバックのひとつなのですが、
おんなじような事を言っているわたしが面白かった。

感覚の”へんな感じ”は、新しい体験をした時によく起こることだけど
いまだに「変な感じだけど、これでいいの???」って思ってしまう体験がおもしろい。
アレクサンダーテクニークの面白いところって、この感覚と現実のギャップが衝撃的なところもだよなー。
ビギナー時代はこのギャップに戸惑いがあったこともあったけれど、
経験を積んで変わったのは、変に感じることを楽しみながら「新しい体験って、変に感じるものだよね」っていう信頼感があるところかな。

マタニティ生活とカラダのことについては、また時間があったときに書いてみようと思います。

*追記*
翌日、他のアレクサンダーの先生に私のコーディネーションを見てもらいました。
「何も問題ないわよ。何が変なの?」といわれて安心しました。
やっぱりそうかー。見慣れない自分の身体にびっくりしただけみたいです。