「NO」の活用例

うちの娘はひらがなの「と」の書き順を間違って覚えてしまいました。

簡単な字なのですぐに直せるかというと、そうではありません。
一度身に着いた習慣と違うことをするのには、エネルギーがいるのです。

「と」の書き順が違うので
「違うよ」と伝えると「あ!😮」と慌てて消しゴムで消します。
そして書き直すのですが、また同じように間違えています。(本人は気づきません)

「また違うよ」と声をかけと、
「あ!😵」と、声を上げ、慌てて消しゴムでゴシゴシします。
そしてまた書き直すのですが……また間違えるのです😃

こんなことをを4回くらい繰り返している姿に
「ああ、習慣の力がここにも」と、
私は感慨深く眺めます。

「何回言われても失敗する姿を、お母さんに見られている」
というプレッシャーを娘は感じているかもしれません。
(私は面白いなあと思って見ているのですが)

 

「失敗」は、多かれ少なかれ、自己嫌悪や恥ずかしい気持ち、情けない気持ちなどを掻き立てたりします。
それが積み重なると、自分のエネルギーを混乱させ「するべきこと」にエネルギーを集中させられなくなってしまいます。
もう、間違えてはいけないと、変な緊張を持ってしまったり。

 

そんなときこそ「NO」のプラン。

 

消しゴムでゴシゴシ消している姿をみて、
私は「すぐに反応しないこと」を教えようと
「ちょっとまって」と声をかけます。

けれども、全然待ちません!
首を縮めて頭をノートに近づけ、消しゴムを強く握り、ゴシゴシゴシゴシ😡!!
自分の失敗を訂正しよう、次は絶対ちゃんとやろうと、とても一生懸命です!!

このテンションで続ければ、また間違いを繰り返すだけ。

そして、間違いを繰り返すということは、その神経回路に慣れていくようなものとも言えます。
まるで、間違うことを練習してるみたいじゃないですか?。(キャー!)

私は子供の両腕に触れて「ちょっとまって」と言いますが、
それでも「と」を書き直そうとし続けます。
「間違いを直したい」と、彼女は真面目で一生懸命なのです!

私は、もっと強く押さえつけるようにしながら、
「ちょっと待って、ちょっと待って、落ち着いて」と強硬手段にでました。

やっと動きを止めるけれど、きっと彼女の心の中は、やり直したい気持ちでいっぱいで、
止められたことが不服でしょう。
「せっかくやり直そうとしているのに。自分はするべき良いことをしようとしているのに、なんで邪魔するの?」と。

 

ちょっとまってね。
やり直そうとしているけれど、何回も同じ間違いをしちゃっているよね。
一度ね、止まって、頭の中で書き順を考えてごらん。

 

思ってもいないことを言われて、娘はやっと「書こう」とすることをやめます
もう、押さえつける必要もありません。

「落ち着いて、頭の中で書いてから、こんどは実際に書いてごらん?」

彼女は
・一度止まり(NO=抑制)
・新しいプランを考えて(方向性)
・この書き順でやるのだと決めて(選択)
・実際に書く(行為を行う)

そのプロセスで、やっと正しい書き順で書くことができたのでした🌸

しかも、体の緊張が減り、落ち着いて🙌

 

衝動性、焦り、結果を急ぐ気持ちにある時、
「NO」を言って立ち止まり、落ち着いてプランを整理し意識し直すことが重要です。

衝動性あふれ失敗を重ねる娘と、
プロセスを作り直すことはとても楽しい。

それは「間違ってはいけない」「ちゃんとやりなさい」「何度も言っているでしょう?」
というよりも、ずっと快適です。

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